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二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第54期王位戦第2局1日目 行方尚史八段-羽生善治王位 雑感。

将棋 王位戦

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第54期王位戦第2局は、7/23・24と兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で
執り行われますが、今日はその1日目。

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羽生王位先勝で迎えた2局目。
行方八段の先手番ということで、
いきなりシリーズを通しての最大のポイントがやってきました。

行方八段は、本年度ここまで12勝2敗ですが
その2敗は後手番に喫したもので、先手番は無敗らしい。
よって、無敗の先手番で勝ち切ればこの先にも希望が見える。
一方敗れると、羽生王位に番勝負では通用しないという
ムードにもなってしまいそう。

そんなこんなで、
本譜は行方八段が誘導の急戦矢倉になっています。

【棋譜中継】(特設サイト)

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3手目▲6八銀。居飛車同士であれば、
これは矢倉の打診。2局目は相矢倉となりました。

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「昭和の将棋」と称された、
二日制1日目のゆったりとした駒組から
にわかに風雲急を告げる▲7七銀。
いわゆる新矢倉24手組では、▲6七金右として、
相手に急戦の意思を確かめてから▲7七銀と上がる。

旧来の矢倉24手組では▲7七銀を5手目位で
上がってしまっていたのだが、急戦に組まれたときに
角の自由度が少ないため、手順を保留していったという
経緯があるそう。よって、今回先手が早期に
角の出を止める▲7七銀としたということは、
逆に後手の急戦を誘っているということになる。

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持久戦、というか通常の駒組では5二金とするところ。
しかし、売られたケンカは買うまで。
△5三銀と出て、本譜は急戦矢倉となった。
対局者には、この後、どういう絵がみえているのか。

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先手は飛車先を伸ばし、後手は飛車を中央に振り、
5筋に数を足す。

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先手は飛車先の歩を切って、
まずは一仕事と言った風情。
後手はここで構想を問われる。

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そして封じ手の局面。
次の一手は羽生王位が封じました。

先手は6筋を突き越して右桂も飛んで中央突破の準備。
その裏のスペースが弱いので、△6二金としておいてカバーする。
一方先手は、▲7七に上げていた銀を6八→5七と動かして
後手が力をためる中央を受ける。

実はこの局面、ここにきて2例の前例と合流している。
ともに2011年春の棋譜で、
2月に▲羽生-△郷田戦(先手勝ち)
3月に▲行方-△郷田戦(後手勝ち)
と、本戦対局者が郷田九段相手に指していた。

つまり、現局面については、
ともに負けた指し手の側を持って指しているというのが興味深い。

どちらかが有望な変化を持っていると考えたほうが自然ですが
この形に誘導したのは行方八段、何かしらの策があるのやもしれません。

あるいは、その研究手順を嫌って、
羽生王位が先に違う将棋を打診するかもしれない。

その戦略の一端は明日、封じ手開封から
もしかしたら見えるのかも。

そんなわけで、決着は明日。
明日は多少時間があるので、
じっくりと追っかけて行きたいと思います。


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