第54期王位戦第3局1日目 羽生善治王位-行方尚史八段 雑感。
第54期王位戦【第1局】【第2局①/②】【第3局①/②】
【第4局】【挑戦者決定戦】
王位戦は第3局。
羽生王位が2勝で舞台は北海道。
第1局は角換わり、第2局は急戦矢倉。
ときて、第3局も相矢倉。
ただし、主流の4六銀3七桂ではなくて
角が中段で向かい合う脇システムになりました。
【棋譜中継】(特設サイト)
先手・羽生王位、後手・行方八段。
本譜は「将棋の純文学」、相矢倉。
5五の地点を挟んで角が向き合う。
脇謙二八段が得意にしていることから脇システムと呼ばれる形。
実は本譜は、この先11手しか進まなかったので
雑談でお茶を濁しましょう。
現代矢倉の本流は4六銀3七桂からの
「91手組」をベースにしており、その場合は
先手角は4六に上がらず6八で待機し温存する。
一方、脇システムの場合は角が最前線に出ているため
飛車先の歩を狙ったり、あるいは端攻めを含みとしながらも
基本的には角交換をして角を手持ちに戦う形になりやすい。
現代矢倉では亜流の位置なのですが
昨年度から多少復活傾向だという。
本ブログは、将棋を記録し始めてから
まだ半年くらいなのですが、すでに3局扱っていて
そのすべてが三浦八段先手の棋譜です。
あと、このブログでは扱っていませんが、
今年1月の棋王戦挑決第2局(▲渡辺-△羽生)も脇システムでした。
この脇システム、確かにそんなに対局数はないのですが
特筆すべきは、今年の1月に羽生三冠に連勝しているというところです。
(先の棋王戦挑決とA級▲三浦-△羽生)
以前やられた脇システムを先手で指してみよう、ということは
例えば脇システムの後手で先手を完封した
GPS新手等に対する用意や打開策、研究があるということでしょうか。
ちなみに、脇システムはこの後ほとんど先後同形に進み、
どちらかが局面を打開する手を入れることになります。で。
後手が早めに棒銀っぽく△8四銀と出たところで
羽生三冠が大長考に沈み、ここで封じ手。
おそらく角交換を行うだろうとみられています。
第1局から言われていますが、この王位戦は
相当ゆっくり、じっくり一手一手さされている印象で
まだ局面は序盤ですけれど、この先の展開を
両対局者はどう読んでいるのか。
激戦必至の2日目を楽しみに待とうと思います。