ニコ生「GPS将棋に勝ったら100万円」が凄いことになっていた。
第2回電王戦のプレイベントとしてニコニコ本社で行われている
えーと、「100万円イベント」(仮)は今日が最終日。
2/24〜毎週末、最強コンピュータ将棋「GPS将棋」に
一般視聴者が対決して、勝ったら100万円ゲット!
というありがちといえばありがちな企画なのですが。
【後の学生名人である入江明さんも参加していた】
「100万円をえさにちょっと軽く宣伝しとこーぜ」
てなノリでスタートしたっぽい番組が
予想を超える参加者の熱意に
運営側が受けて立つという妙な双方向性が働いて
回を追うごとに番組が熱を帯び、
一種の「祭り」と化しつつあります。
私は、2/24の第1回目を見なかったのですが
「参加者がガチすぎるwww」
「秒読みちゃんがガチすぎるwww」
「GPSがガチすぎるwww」
という荒ぶるTLを眺めて興味を持ちました。
1日目は、
「ちょっと原宿寄ったついでに
『将棋ウォーズ』でも指すかわりにやってみるかー」、
というライトな将棋ファンの参加を想定していた
運営側の思惑とは裏腹に、全国クラスのアマチュア棋士が多数参戦。
1台のノートPCを前に淡々と将棋を指しつつ
女の子が秒読みをするというシュールな絵面の中で
真剣に100万円を獲りに来た一線級とGPSの熱戦が展開され、
しかしGPSが対人類戦で全勝という展開だったそうで
それが世の腕に覚えのあるアマ棋士の勝負魂に火をつけた。
2日目、だから3/2は、1日目の状況&反響から
棋士の多数参戦を予期した運営側がPCを3台に増加。
さらにガチになった参加者を迎え撃ちますが
フリーズが多発した前回反省から、GPSのバージョンを下げたことが裏目、
全国優勝経験のあるアマ棋士2人が相次いでGPSに勝利し
一気に200万円をかっさらわれると、
運営側はGPSのバージョンを最新版に戻す緊急策。
その後はGPSの連勝街道が続く。
この日からプロ棋士の盤面解説が入るようになり
2日目・3日目を担当した大平五段の、盤面を一見しての
てきぱきとした形勢判断に「プロすげえ」という
コメントが飛び交います。私は2日目の終盤からみたのですが
番組の骨格がだいぶ整った感じ。
3日目(3/3)も最新版GPSが猛威を振るいますが、
この日も早朝からニコニコ本社に並んだという
準プロレベルのアマチュア棋士がこぞって参戦。(対局は先着順)
そのなかで、あじあじこと安食総子女流初段の旦那さん、
細川大市郎さんが最新版GPSから初勝利、
人類通算三勝目(300万円目)を上げます。
この勝利では、細川さんの右玉系からの差し回しに
GPSが序盤に混乱するような点がみられ、
アンチコンピュータ戦略として方々で研究が進みます。
4日目(3/9)を前に、高い確率でGPSに同様の差し回しを
再現させる手順が報告され、
「これは100万円連発もあるのでは」
と人類側の期待が高まっていたところ、
運営側はドスパラさんの提供を受けて、
PCをハイスペック化するという応手に踏み切る。
東大将棋部のアンチコンピュータ戦略(相振り誘導)と大頓死、
今泉さんの参加など盛り上がる部分も多かったのですが
結果として2回目の変身を残していたGPSが全勝。
渡辺大夢四段と突如応援に入った勝又六段の小気味よい解説もあり
番組の完成度は(いろいろ問題もあるにせよ)
さらに高まったように思います。
そして最終日の今日はこんなありさまだよ!
これはもう、祭りですよね。
全国のアマ強豪が徹夜で並んで
対コンピュータ戦の対抗策を顔を突き合わせて
楽しそうに研究している。
それに対して、運営側もできうる限りの対応をして迎え撃つ。
結果として、番組のクォリティも注目度も
上がっていったように思います。
そして、その順回転が見ているこちらもとても楽しい。
世に棲む強豪アマチュア棋士のお姿を拝見できるのも
こんな機会ならでは。
そんな「アマ棋士たちの祭典」は今日が最終日。
今日は第38期棋王戦も行われていますが、
ザッピングしながら見ようと思っています。
まあ、これからちょっと仕事なんですけどねー。
* 21:00追記
ちょいちょい間を飛ばしながら眺めていましたが、
結果は今日もGPS全勝。
香得定石から勝勢譜になった対局が何局かあったのですが
惜しくも届かず、でした。
解説の佐々木勇気四段、最初はシャイな方だと思ったら
なんというかイメージ通りのS気質っぽいタームがでてきて
おもしろかったです。
それにしても、今日はほかに棋王戦があり
羽生さんの信じられない差し回しがあり、
将棋方面が極めて充実しておりました。