羽生三冠の冬休み ~ポーランド・チェス大会インタビュー~。
羽生善治王位・王座・棋聖は、この年末年始、
ポーランドのチェス大会(XXIV International Chess Festival Cracovia 2013)に
参加していらっしゃった。
結果については、様々な方がツイッター等で触れられていますが
とりわけ日本のトップチェスプレイヤー小島慎也さん
羽生さんがポーランドでの最終戦を勝ちきり、2つ目のIM ノームを獲得しました! Blog: A Challenge for The Second IM Norm - Accomplished!... http://t.co/qci0GJCeP1
— 小島慎也 (@Shinya_Kojima) 2014, 1月 4
が詳細にブログに書いてくださっています。
まとめると、9戦して6勝2敗1分けで全体の8位。
(うち1勝は7年ぶりのGM撃破)
2つ目のIMノームを獲得しています。
・・・。
やったぜ(よくわかっていない)
とまあ、それはともかく、羽生三冠のチェス大会挑戦について
ポーランド紙のジェニーク・ポルスキがインタビューをしていたようで、
1/2にネット上に掲載しています。
それについてポーランド語を英訳したものの和訳を掲載したく思います。
いくつか文意がわからない部分については相当手を入れていますので
かなりおかしい所もあるのですが、参考程度に読んでいただけたらと思います。
将棋は単なるゲームではなく、人生哲学。
日本式チェス「将棋」棋士の最高峰、羽生善治三冠へのインタビュー
―ポーランドを訪れるのは初めてですか。
はい。
―クラクフの印象を聞かせてください。
とても美しい街ですね。特に今は街中にクリスマス飾りがあって綺麗です。
今まで本でしか知らなかったクラクフ歴史地区を歩いたのですが、とても美しかった。
【クラクフの街並み】
また、大会主催者の好意により、クラクフの名所を案内していただいたのですが、
中でもヴィエリチカ岩塩鉱は素晴らしかったです。
【ヴィエリチカ岩塩鉱】
―羽生三冠は将棋の達人として知られています。
なぜ、クラコヴィア・クラクフ・トーナメントに参加することになったのでしょう。
日本で私は、チェスの大会に参加する機会がほとんどないのです。
そこで、インターネットでチェス大会について検索していたら、
クラクフの大会では、期間中に将棋のトーナメントも行われることを知り、
興味を持ちました。棋士は、将棋の普及という責務も担います。
将棋の大会に立ち会うことで参加者の棋力を高める一助になればと思いました。
【将棋トーナメントの風景と思われる画像】
もちろん、将棋の大会には参加していませんが、そういうきっかけもあって
強豪がそろうこのチェス大会への参加を決意したのです。
―そんな羽生三冠の姿勢は、最大の敬意をもって参加者から迎え入れられました。
得てしてチェスのマスターは孤高の存在とみられがちです。
羽生三冠は、全く大物ぶるそぶりをみせませんね。
尊大に振る舞うことは、将棋の精神と相いれないと思います。
トップ棋士は、様々な方々の尽力があってなれるものです。
そういう意味で、この将棋大会の表彰に立ち会えたことをうれしく思います。
クラクフで将棋が益々普及することを願っています。
【将棋大会の表彰式と思われる写真:よくわかんない】
もちろん、チェスの世界で自分が大物ではないことも知っていますから
自分のチェスが世間を騒がすなどということを気にせず指せるという側面もあります。
私は純粋にゲームに集中できる。日本ではそうはいきません。
対局ごとに幾種の中継があり、
それを見ている数千のファンを意識して指すことになります。
もちろん、雑音の中でも自分のベストを尽くすだけですが。
―将棋を柔道や相撲など日本の国技と比較するとどのような位置づけなのでしょう?
難しい質問です。たとえば相撲の横綱は、将棋棋士よりも認知度が高いでしょう。
一方で、競技人口という意味でいうと、将棋はプロ棋士の数は極めて少ないものの
1千万人以上の愛好者がいます。
柔道はオリンピック競技ですしね。
―将棋の達人であることは、日本ではどのくらいの栄誉なのでしょうか。
世間のほとんどの方は「将棋の羽生」が誰だか知っていると思いますが、
でも街頭では私より横綱のほうが目立ちます(笑)
名士かどうか、という意味では、私は頻繁にメディアに取り上げられますし
トップ棋士として年間60~80局ある対局をこなさなければなりません。
そしてその結果も報じられます。
ただ、それがいわゆる「セレブ」かというと違うと思います。
日本の「名人」は欧米の「セレブ」の意味合いが違うのです。
―羽生三冠は、将棋の世界ではまさにすべてを成し遂げています。
今なお達人を将棋へと駆り立てるものはなんなのでしょうか。
将棋は単なるゲームではなく、人生哲学でもあります。
私は幼いころから将棋を始め、勝利のためにすべてをささげました。
25歳で前人未到の七冠制覇を達成しましたが、当時は早指しで攻め将棋でした。
40代となった今では棋風も変わってきています。
将棋には引き分けがなく、私は今でも勝利への情熱を失っていないが、
勝敗だけが重要だとは思わなくなっています。
―棋士として対局をこなすだけではなく、本も執筆されていますが
そちらについてはいかがですか。
当初私は棋書を書くことに専念していました。
ですが、最近では異なった視点の本、
例えばビジネスマンに向けて決断の方法や問題解決について
書いたりしています。将棋は日本の文化に根ざしており、
我々の生活の様々な局面に応用できるのです。
―ポーランドのチェス選手はご存知ですか。
素晴らしいチェスプレイヤー、Kamila Mitoniaしか知りません。
【よくわかんないけど多分この人】
彼からはポーランドを訪れる前にいくつかの有益なアドバイスをいただきました。
―ポーランド料理はいかがでしたか。
とてもよかった。でも残念ながら具体的な料理名は言えません。
名前がとにかく難しい(笑)。とりわけスープがおいしかったです。
【ジュレク:ポーランドを代表するスープと言われる】
※【】及び写真は谷川が勝手に入れたもの。
正直なところ、チェスの世界にもがぜん興味がわいてきたのですが
ルールどころか駒の動かし方もわかっておりません。
とりあえず「あれは・・・サクリファイス!」(ドヤ顔)などと
通ぶるところから始めようと思います。