二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第72期A級順位戦最終局・第2譜 戦形まとめ。

09時20分の状況

※ 佐藤九段が3手目▲1六歩といきなりワールドに、渡辺二冠が角交換四間飛車

10時30分の状況

第72期A級順位戦最終局・第1譜 屋敷九段、降級決定す。

第72期A級順位戦は、3/7、静岡県静岡市で5局一斉対局。

この「一番長い日」、最初に対局が終了したのは
▲行方八段(5勝3敗)-△屋敷九段(3勝5敗)戦でした。

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横歩取り△8四飛から後手飛車ぶつけと進み、
激しい変化の末に、73手で屋敷九段が投了。

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この結果、屋敷九段のB級1組への降格が決定しました。

「藤井矢倉」激増の理由 速攻矢倉の現在地。

2/27の第62期王座戦二次予選、藤井猛九段-北浜健介八段では
藤井九段がいわゆる「藤井矢倉」を採用、
打ち歩詰めの筋で後手の攻めを切らすという大熱戦の末、藤井九段が勝ちました。

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この事態に序盤クラスタ(の一部)が何やらざわついています。
もしかすると、藤井矢倉がブレイクするかもしれない、
そういう気配があるからです。

「藤井九段が『藤井矢倉』を採用するのは普通じゃないか」
そう思っていた時期が、私にもありました。
「消えた戦法」を開発者が指し継ぐのはなにも不思議なことではない。

しかし、こと今回に関しては、
また少しニュアンスが違うかもしれません。

2014年に入ってまだ2か月が経過したばかりですが
「藤井矢倉」、あるいはその類似系は、
藤井-北浜戦を含め、既に公式戦で5局現れているからです。

しかも採用した棋士は、藤井九段のほか
森内、渡辺、屋敷、豊島と錚々たる顔ぶれ。

「藤井矢倉」激増の予兆についてまとめてみたいと思います。

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「ゴキゲン中飛車超急戦」の最前線 都成新手を巡る攻防。

第39期棋王戦は、2/22、第2局が行われました。
あの渡辺棋王ゴキゲン中飛車を公式戦で3連採し、
対する三浦九段が超急戦を打診、渡辺棋王が受けて立つという展開で、

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「振ったああああああああ」
「超急戦だあああああああ」
などと一部で歓声が上がったのですが、
なぜ盛り上がっていたのか、その背景について簡単にまとめてみようと思います。

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そしてその話題の中心には都成竜馬新人王がいました。

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第63期王将戦第3局 渡辺明王将-羽生善治三冠 魔術の条件。

なにやらご無沙汰しております。
今後も時折現れたり消えたりしますが、すみません。

いまさらですが、王将戦第3局について。

シリーズ中盤戦となる第63期王将戦第3局。
ただし渡辺王将の連勝で迎えているため
一気に終盤戦突入の可能性も秘めている、そんな番勝負は
1/28・29、箱根「ホテル花月園」で行われました。

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第1局相矢倉、第2局相掛かりときて、
第3局は渡辺王将の先手番。
ブレイクが求められる後手番の羽生三冠は、
急戦矢倉を投入、積極的に流れを変えにゆきます。

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