二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第71期名人戦第5局初日 棋譜+雑感。

月末のこのくそ忙しい時期に私は何をやっているのでしょうか。
しかも、進撃の8話に見入ってさらに時間が押すという。

なので、初日はできる限り簡単に。
明日は、さらに遅くなるかもしれませんけど、ともかく。

名人戦は、第5局。
森内名人が3勝1敗で王手をかけています。
今回は羽生三冠の先手番。

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ここで定跡形の相矢倉。
やはり後手の森内名人から工夫を見せています。


後手は持久戦を選択したうえで。

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先手は現代定跡形矢倉の最大火力とされる4六銀3七桂戦法。

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後手は2手前に△6五歩と突き越してから上図△3七銀打の新手。
同一局面ではないが、4筋の飛車の頭に銀を打ち、
3九と引いた飛車に対して後に△2六銀不成とした
▲中村太-△郷田戦(今年の棋聖戦決勝トーナメント戦)が
思い出されます。
やはり先手が4六銀3七桂で、結果は後手勝ち。
本譜は飛車を5筋に逃がし、後手は2六銀成と進行。

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封じ手の局面。
先手は65手目▲1四銀で桂にひもをつけて攻撃の継続を図る。
後手はそれを切らしにかかり、ここで初日が終了。
先手の飛車を玉頭戦から離脱させ、
攻めを切りにかかった後手の△3七銀打が
どこまで影響力を持つのか、といったところでしょうか。

なんか感触的に研究手っぽいですよね。
検討室の見解も先手の攻めが切れているのでは、
ということで後手持ちが多いようです。
確かに攻めが細いような気がする。

ただ、ニコ生の鈴木八段は互角、
高橋九段は先手持ちと、
まだ評価は定まっていない感じです。さてはて。

棋譜
開始日時:2013/05/30 09:00
棋戦:第71期名人戦 第5局
戦型:相矢倉
持ち時間:各9時間
場所:ウェスティンナゴヤキャッスル

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △5二金 ▲7七銀 △3三銀
▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲3七銀 △6四角
▲6七金右 △7四歩 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △9四歩 ▲4六銀 △5三銀 ▲3七桂 △7三角
▲2六歩 △9五歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲3八飛 △2四銀
▲1八香 △2二玉 ▲6五歩 △8五歩 ▲2五桂 △4二銀
▲3五歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 歩 ▲1五歩 △同 歩
▲6四歩 △同 歩 ▲3五角 △3四歩 ▲6八角 △6五歩
▲1三歩 △3七銀 ▲5八飛 △2六銀成 ▲1四銀 △2五成銀
▲同 銀 △1三桂
まで68手で封じ手