二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第38期棋王戦第2局 横歩取り電撃戦は渡辺竜王が制す。

ゼロックスの感想:寿人のゴールがすごかった。(小並感)

郷田棋王に渡辺竜王が挑む第38期棋王戦は第2局。
先手で第1局を制した郷田棋王が後手番なので
棋風から相居飛車のかっちりした駒組みで入るかと思いきや
2手目△3四歩。
序盤中盤を吹き飛ばす空中戦、横歩取りを選択。

短手数で終わることの多い横歩ゆえ、
一手に対する読みの深さが問われる対局となりましたが
トータルでは渡辺竜王の大局観が上回り、
1勝1敗のタイに持ち込みました。


棋譜こちら

他の戦型以上に横歩はわからないので、
本当に簡単な感想なのですが、
早々に飛車角を駒台に乗せる展開の中で
桂馬をより効果的に活用した先手が
全体的に局面をリードできたのではないかという気がします。

あと、先日の王将戦第4局もそうでしたが、
相対的に竜王の時間の使い方(残し方)が
メリハリが効いている感じがしました。

棋譜コメントを読んでいると
途中、読み抜けやら想定外があったりして
今回も一筋縄ではいかなかったようなのですが、
それでも郷田棋王に比べれば、それが大きな失点になっていない。
大切なところで時間があるという感じ。
(だからこそ、A級羽生戦が厳しかったのかもですが)

それにしても、横歩取りか。
自他ともに認める本格居飛車の郷田棋王
タイトル戦で横歩を採用するとは思わなんだ。
竜王は今年に入ってから、対居飛車後手番で横歩を多用していて
それは他の居飛車のトップ棋士でも同様の傾向が見られます。
横歩がどうのというより、後手矢倉が相当煮詰まっている、
ということなんでしょうか。
A級順位戦で圧倒的な勝率を誇る羽生三冠ですら
三浦八段戦で後手矢倉を持ち敗れています

棋王戦は第一局が相掛かり、第二局が横歩ときており
こうなってくると第三局も空中戦になる可能性が高い気がします。

と同時に、3/1のA級順位戦最終節で
挑戦権・降級に大きな意味を持つ橋本−羽生戦などで
後手の羽生三冠がどういった戦術で臨むのか、
ちょっと気になるところです。