二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




全日本卓球 福原愛が石川佳純を破り連覇達成。

マハルェ・・・。(あいさつ)

てなわけで代々木に行ったわけです。

昨年、石川を圧倒し、初めて全日本を制した福原愛
それもあってか、石川は様々な福原対策をしてきたように感じました。

序盤はそれが実を結んだかと思われたのですが
福原がその対策に対応しきって、最後は突き放すという
王者らしい、見事な勝利を飾りました。


/福原 4−2 石川/(国立代々木)

福原と石川は、利き腕は違うものの
ともにバックハンドでの打球処理が生命線なので
言い換えれば、いかにフォアの緩手を打たすか
、という駆け引きが戦術の基本となります。

序盤、それが徹底していたのが石川で
先手を取ってフォアを打たせ、
バックサイドや体幹を狙うという形でリードを奪う。

福原も、フォアに振られた時に
ストレート(テニス的にはダウンザライン)に
叩いて石川の逆を突こうとするのだけれど
狙いすぎるのか、外れることが多かった。

石川は、サーブで福原のフォア前を執拗に狙ったり
チキータでリターンエースを取ったりと
福原研究の成果を見せ、強気に先に先にと展開したのですが
結果からすれば、手の内をさらすのが早すぎたのかもしれません。

石川の2−1で迎えた4ゲーム目、
福原はフォア前に落とされていた石川のサーブを
バックハンドで処理するようになり、
これがはっきりとゲームの流れを変えました。
大きく空いたバックサイドを感じさせないくらいに
強く踏み込んでリターンからゲームを作ると、
石川は自分のサーブをほとんど取れなくなってしまいます。

一方、福原は徐々にサーブでも二択三択を迫って
石川に後手を取らせる。
福原の3−2で迎えた6ゲーム目は
サーブ、レシーブ両ターンで
完全に石川を翻弄し一方的に奪取。
2年連続優勝を決めました。

帰宅してから録画を見ると、
解説では、石川が対応されてもなお
フォア前へのサーブに拘泥していたことが
終盤、福原に流れを渡してしまった要因、としていました。

実際のところ、それはあったと思います。
おそらく石川自体は、サーブサイドの組み立てとして
フォア前サーブを基本に据えてきたので
その部分を変えることは難しかったのではないかと思います。
福原のリターン対応後も、基本線を変えないで、
工夫をしようとしている感じはありましたし。
しかし、それはゲーム中には間に合わなかった。
少なくとも福原相手には、対応された場合の精度が
追いつかなかったということかと感じました。

とはいえ、それも仕方ないなと思ったりもします。
おそらく試合中の付け焼刃では、福原には通用しなかったし
通用しないだろうと思わせる説得力が
あの試合の福原にはありました。

一方、追われる立場だった福原は、
対策をしてきた相手に対して、序盤リードを許しても
しっかり対応し、自分の得意分野を使える状況を作ったうえで
石川を上回った。
2連覇王者にふさわしい、
堂々とした見事な勝利でした。