二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第63回NHK杯 北浜健介八段-木村一基八段 雑感。

このあと出かけなくちゃいけないので、簡単に。
ちゃんと精査していないので、
よくわからないところもありますです。

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詰将棋界一の攻め棋風・北浜係長と
千駄ヶ谷の受け師による対戦は、
やはりというか北浜八段が序盤から攻め、
木村八段が受けるという展開になりました。

ちなみに「係長」というのは、
北浜八段がニコ生で語っていたところによると
あるときジャパネット浦野八段が、北浜八段について
詰将棋界の係長的ポジション」
と評したことから始まって、その風貌と受け答えから
広まっていったということだとのこと。まあなんでもいいですけど。


本局は相掛かり。

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腰掛銀となり、この後、後手から銀交換。
でもってここから先手が積極的に仕掛けます。

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駒台に乗せた銀を端から。
この後、角交換を行ったうえで盤右上で超局地戦に。
もっとも、ここまでは前例のある形だそうで。

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ただ、後手が棋風のごとく
徹底的受けに回る姿勢を示してからは前例を離れた様子。
後手は銀3枚の受け、先手も角を1一に投資して制圧を目指す。
ただ、先手の攻めがかなり厳しく、形勢は先手有利とみていいみたい。

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後手は先手陣に大駒を投入して先手玉に圧力をかけつつ
後手玉の上部脱出ルートの開拓を図って問題の局面。
本譜は角打ちに対して▲4八金打と受けに回り
解説の屋敷九段が「受けてしまわれましたか」と述懐。

実は一手前の▲4五桂が詰めろで、
よって上図では詰みがあったようです。
よくわからないので先ほどの局面をBonanzaに読んでもらうと。

Bonanza 3 1 207KNPS

  1. 32582 [16]

▲3三桂成(45)△同 銀(22)▲1二銀打△2四玉(23)▲2二龍(52)△2三桂打
▲同 龍(22)△3五玉(24)▲4五金打△2六玉(35)▲1七銀打△2七玉(26)
▲2五龍(23)△2六歩打▲同 龍(25)△3八玉(27)

以下、▲2八龍△4九玉に下段のどこかに飛車を打てば確かに詰むはず。

時間切迫でこの詰みを逃してしまったため、
木村八段は逃げに逃げ、北浜八段もあきらめずに追う。

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終盤の局面。1九に到達した玉を巡るし烈な攻防戦。
しかし、木村八段は丁寧に追っ手を薙ぎ払う。そして。

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最後は先手玉を討ち取り、これが投了図。
後手には金が三枚あるため、どう動いても寄る。

先手が序盤から快調に攻めましたが、
優勢な場面で慎重に時間を使いすぎたか、
詰めがかかる部分で読み切れなかった印象です。

確かに、後手が直前に角を打っており
もともと入玉を追って行って仕留める形の詰みだから
大駒の影響が読みづらいんですよね。
後手は、そこで寄せられていたら頓死ですから
狙って放ったわけではないとは思いますけれども、
そのあたりに勝負のあやがあったかもしれません。

攻守に持ち味が出た大熱戦でしたが
時間いっぱいまで勝負がつかなかったため、
感想戦が放送されなかったのが残念でした^^;