二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




日本選手権(決勝) 三洋×トヨタ 雑感。


サントリーがNECに敗れ、
東芝がトヨタに敗れ、決勝のカードは三洋とトヨタ。

「波乱」と言ってしまえばそれまでですが、
三洋・飯島監督の試合後のコメント
「トップリーグ各チームのレベルが上がっている」
って言葉が素直な現場の実感なのかもしれません。
上位に明白といえるほどの実力差がなくなってきているのでしょう。

とくにトヨタはプレーオフから吹っ切れたラグビーで
ここまで勝ち上がってきました。
(ってまあ、プレーオフからしかみてませんがー。)

それだけに、逆転勝ちで成し遂げた三洋の三連覇には
大きな価値があるとおもいます。

ああ、そういえば書いておかねばですが
私は(群馬だけに)三洋びいきなので、
野武士サイドのヘンコウレンズをつけています。
ご了承ください。

ぬかるんだグラウンドに、三洋は前半いいところなし。
トヨタの接点が強くて、攻め込んでは反則。
ゲインしたらターンオーバーをくらい、リズムを作れません。
2トライを挙げたトヨタが12-0とリードして前半を終了。

が、ハーフタイムに相馬とブラウンに気合を入れられたという三洋は
サポートの速さでブレイクダウンで優位に立ち、
後半10分以降、じりじりとトヨタを押し込みます。
その結果、連続反則でホップグッドが後半15分にシンビン
このパワープレイ時間内22分に三洋がモールを押し込んでトライ。
流れが大きく変わりました。
(パワープレイといえば、アイスホッケー3決も面白かったです)

勢いにのる三洋は26分、モールで攻め込むも
ターンオーバーされたボールをすぐに奪い返し
北川につないでトライ。インフルエンザの借り(?)を返します。

34分にもモールを押し込んでリードを広げると
トライを1本返されますが、しっかりと逃げ切って
最終スコア22-17でノーサイド
三洋が史上4チーム目の3連覇を達成しました。

今まで3連覇を達成していたのは、
新日鐵釜石、神戸製鋼、東芝府中と、
当たり前の話ながら名だたるチームばかり。
一時代を築いたスタイルがあり、それを体現するスターがいました。

そういったチームに比べて、三洋はどうかっていうと、
たとえばゴール前のディフェンスとか、粘り強い接点とか、
華々しい強みっていうのがあんまり感じられないチームだと思います。

でも、たとえばこの試合がそうだったように、
後半の苦しい時間帯にサポートで圧倒したり、
集散で落ちなかったりと、
ラスト10分で「戦う気持ち」が落ちない。
編成を含めて、「チームとして強い」ってことは言えると思います。

前半、劣勢でも、最後までサポートを尽くし、集散を繰り返す。
それは、常にあきらめずに戦えるということ。

それが三洋のラグビーだと思うし、
だからこそ、勝てたのだとも思います。