第3回電王戦第1局 菅井竜也五段-習甦 プレビュー。
明日から第3回将棋電王戦が始まります。
第1局は菅井竜也五段-習甦、場所は有明コロシアム。
先後は事前決定で、菅井五段の先手番です。
画像のように強気な発言でも知られ、
「振り飛車宣言」をしている菅井五段がまずどこに振るのか。
前回唯一プロ棋士に敗れた習甦のリベンジはあるのか。注目です。
以下、ついでに焼き直しの菅井五段紹介と習甦紹介をば。
菅井竜也五段
1992.4.17生まれ、岡山県岡山市出身。井上慶太九段門下。
2010年 四段、2011年 五段。
竜王戦5組、順位戦C級1組。
棋戦優勝1回(2011年第5回大和証券杯ネット将棋最強戦)
関西の新世代振り飛車エース。石田流や中飛車が主戦だが
特にゴキゲン中飛車の研究では棋士間でも一線級を誇り、
その著作「菅井ノート」にある菅井流と数々の菅井新手により
2012年度は升田賞の選考にもその名を挙げられた若き構想家。
最近では、左穴熊が熱い。
地方出身(岡山県旧御津郡御津町)ということもあり、
ネット対戦(将棋倶楽部24)で腕を磨いたというのが有名なエピソードで
それも有利に働いたか、ネット棋戦である大和証券杯では
初戦で羽生二冠(当時)を破るなど四段昇段の年度に優勝。
早指しに特に強いと言われ、やはり早指し棋戦である
第6回朝日杯将棋オープン(2012年度)では
丸山九段、森内名人、谷川九段と名人経験者・在位者を破って準優勝を果たした。
とはいうものの、持ち時間の長い順位戦勝率も
べらぼうに高いことで知られており、
チェスクロック5時間の第3回電王戦適性も十分だろう。
第2回電王戦では、阿部光瑠四段が不思議な指し手で注目されたが
菅井五段も謎の手順や時間の使い方で不思議がられている節がある。
PVにもあったが、井上門下ということで船江五段と同門。
振り飛車は、コンピュータ戦と相性が悪い(穴熊がめちゃ固い)という話だが
もうここは相穴熊でコンピュータを完切れさせて、仇をとって欲しい。
習甦
第1回電王トーナメント5位。
第23回世界コンピュータ将棋選手権7位。
ponanzaとともに第2回電王戦に参加した連続出場ソフト。
第1局で阿部光瑠四段と対決し、先手一手損角換わりに誘導されて
棋士に唯一の白星を与えることとなった。
リベンジを果たすべく参加した第3回電王戦予選、
第1回電王トーナメントでは、クラスタ技術不採用ルールのため
もともと単一PC構成だった習甦は有望視されていたが、
予選リーグでまさかの大苦戦で8位通過。
決勝トーナメントでは優勝したponanzaに敗れて5位決定トーナメントに回り
ここを勝ち上がってなんとか5枠目に滑り込んだ。
もっとも、予選リーグでは短い持ち時間設定等が
習甦にあっていなかった側面もあるようで
持ち時間が長くなった決勝トーナメントでは持ち前の鋭い攻めが炸裂、
トーナメント第1戦の対Selene戦では55手詰を詰め上げた。
開発の竹内さんは、前回和服で登場したナイスガイ。
もう有名になった話だが、
「習甦」は、その漢字をばらすと羽・白・更・生となり
転じて、「羽生さんから白星を積み重ねたい」という意味が込められている。
ただし、今回は文字通り、敗戦に習い甦ってこの舞台までたどり着いた。
反撃を誓う棋士の出鼻をくじくリベンジはなるだろうか。
対局開始は、3/15、午前10時。楽しみです。