第62期王将戦第4局 渡辺竜王、「ただやん」▲5七金で王将奪取まであと1勝。
ギアいじったっけ、 ロー入っちゃって、 もうウィリーさ!
なんかここ最近、将棋ブログみたくなっていますが
仕方ないよね。将棋面白すぎ。
佐藤康光王将に渡辺明竜王が挑む第62期王将戦は第4局。
終盤にもつれた熱戦は、渡辺竜王が攻防の馬に利かした犠打、
▲5七金が炸裂、3勝1敗とし、タイトル奪取まであと1勝としました。
後手番の佐藤王将は、角交換振り飛車の佐藤流、
ダイレクト向かい飛車。
対渡辺竜王戦では、本年に入ってから
本戦第2局と王位戦リーグでもこの形で戦い1勝1敗。
中盤までは互角の形勢で進みましたが、
75手目の5六角で先手が主導権を握ります。
後手の飛車を牽制しつつ、ダイレクトに銀冠の銀を狙う。
第3局では王将が配置して攻防に抜群の存在感を放った
5六角が、今回は竜王のギラとなったとかならなかったとか(なんだこれ)
ただ、終盤は渡辺竜王が有利な展開から
難しい順に進んだということで、
一手一手形勢が変わる、きわめて難しい局面に。
そんな中、自陣に放たれた竜王の一着が決め手となりました。
浦野真彦八段が
「ていうかあなた、金タダですよ?」
とか言いそうな「ただやん」の金。
しかし、この手が先手玉の上部離脱を阻止していた
攻防の馬に圧力をかける竜王の犠打。
王将はこの金を取ることができず、以降敗勢に。
(この時点で佐藤王将の残り時間が2分しかなかったのも痛かった。)
終盤で勝負手を指す時間を残していた
渡辺竜王の懐の深さ、強さを実感させる終盤戦でした。
順位戦A級の羽生三冠戦や棋王戦第1局など、
ここのところの渡辺竜王は
終盤で竜王らしからぬ息切れを喫するケースが
目立っているように感じられ、
今回も一時、形勢を損ねるとまでは言わないまでも
有利な立場を自ら難しくするような順があったようで
勝負は最終盤までわかりませんでした。
ですが、その中で5七金を指せるということに
凄みを感じざるをえない。
互いのよい部分が出された名局だったにも関わらず、
渡辺竜王の強さがより際立った、そんな対局でした。