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二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




順位戦B級2組・9回戦 藤井九段、森下九段に快勝し昇級決定。

将棋 群馬 順位戦

コストコ行ったぜー。(あいさつ)

2月7日に行われた順位戦B級2組・9回戦は
藤井九段の昇級をかけた一局。
7勝1敗の藤井九段は、森下九段との対局に勝ったうえで
同じく7勝1敗で並ぶ飯島七段・豊島七段のいずれかが敗れた場合に
昇級が決まります。

昨期から今期終盤にかけての藤井九段については

降級の藤井九段 “新鉱脈”にかける(朝日新聞デジタル)
第53期王位戦挑戦者決定戦 ▲渡辺明竜王対△藤井猛九段2ch名人)
王座戦の三手目で将棋板騒然となってるけど何で?についてはてな匿名ダイアリー

などを参照のこと。

A級からB級2組に連続降級した藤井九段ですが、
負けても負けても指し続けてきた「角交換四間」が
今期ブレイクし、王位挑戦者となったうえに
順位戦でも快走。昇級に一番近い位置にいますが
同星が多いB2ゆえ、一つの敗戦で
一気に後塵を拝する可能性もあります。

対する居飛車の森下九段は、
振り飛車戦に強く、対藤井も10勝3敗と分がいい。
今回も「角交換四間」への対抗形を準備して対局に臨みました。


序盤。
先手藤井が角交換四間飛車を念頭に駒組みをするところ
後手森下は、角道を開けないまま12手目に△3二銀、
角交換せずに穴熊に組む手順を選択。

【12手目】△3二銀
▽森下 なし

▲藤井 なし

「角道を開けなければどうということはない」
という後手に、さすがに構想が狂ったのか
藤井九段は序盤から時間を使います。
この△3二銀で昼食休憩。

その後もともに駒組みを優先する形で
結局夕食休憩まで戦端は開かれなかったのですが
30手目までの段階で遠山五段などは
構想を着々と進め、穴熊に向かう後手の形が十分と評価。

しかし、藤井九段は
後手の囲い完成まで数手先行できると読み切ったのか
ここから右方に角を滑らせます。

飛車を5筋に、角を7七の地点に移しておいてから、
【33手目】▲6八角
▽森下 なし

▲藤井 なし

【45手目】▲3五角
▽森下 なし

▲藤井 なし

【47手目】▲4六角
▽森下 なし

▲藤井 なし

と角を展開、居飛車を掣肘しつつ玉頭をうかがう。
森下九段が8二に飛車を戻したところで夕食休憩に。
この時点で村山慈明六段は形勢「先手よし」と判断。

夕食休憩後、一気に中盤−終盤戦へと向かうのですが
形勢差は最後まで埋まらず、先手が大駒で効果的に
後手玉に利かせてくるのに対し
先手玉には全く迫ることができず、森下九段が115手で投了。

【投了図】115手▲2二と まで
▽森下 歩 桂 銀 金2 角

▲藤井 歩6 銀

投了図をみてもわかるように、
結果からすれば藤井九段の快勝と言っていい対局でした。
角道を開けずに組むという森下九段の対抗に
構想の立て直しを強いられた形でしたが、
自陣を整備しつつも、角などで相手陣を牽制し
なおかつ攻めの形を構築した「緻密な序盤」の差だったと思います。

藤井システム、角交換四間、それから藤井流矢倉もそうですが
その基本とするところは、相手の先を取るために
自陣整備をできる限り効率化し、機先を制すること。
つまり、彼我の陣形の整備を見極め、
相手の切っ先が半間届かない、
ぎりぎりのタイミングで飛び込むことに長けているといえます。

森下九段の構想は、対抗形でありながら
主導権を握ろうとするものでしたが、
凝った手順であるがゆえに、囲いに対して
攻めを構築しきれず、その差を見極めた藤井九段が
中盤以降圧倒した、という感じかと思いました。

森下九段投了ののち、先崎八段と対戦していた
飯島七段が敗れ、これによって藤井九段のB1昇級が確定。
来期以降の活躍が期待されます。


余談ですが、私はこの日、
飲み会をしながらスマホで形勢をちら見していたのですが
郷土の先輩・藤井九段の勝勢を確信して調子に乗って飲み過ぎてしまい。
本当は当夜にも記事を書こうと思っていたのに
昨日ですらかけなかったというアレでした。

今年度も、藤井・三浦の県出身棋士を中心に
棋界を眺めてきましたが、最終盤にきてもとても楽しかったです。
最後に三浦八段が名人への挑戦権を得られれば、これ以上ないなー。