第71期A級順位戦 三浦−羽生戦の終盤がすごいとネット上で話題に。
*もしかして: 第72期順位戦3回戦 三浦-羽生 △8六飛
というステマ。(あいさつ)
いまさら言ってみたくなっただけというね。
先日のA級順位戦7回戦▲三浦八段−△羽生三冠戦、
結果しか書きませんでしたが、素晴らしい熱戦だったということで、
改めて棋譜を並べてみたのですが、
なんというか、本当にすごかった。
村)三浦―羽生戦の投了2手前の局面、言葉で表現すると「先手の玉が打ち歩詰めの状態。後手が金を動かす空き王手をすると逆王手を食らって後手負け。玉を動かす空き王手をすると、普通の合駒なら詰みだが、銀の移動中合が唯一の逃れ手順で先手勝ち」となります。こんな終盤戦、他にあるのでしょうか?
— 朝日新聞将棋取材班さん (@asahi_shogi) 1月 11, 2013
それがこの局面。
後手番。
9筋に香車を背に玉が向き合うすごい状況。
ツイートのとおり、後手は9五に歩を打てば詰みですが
それは「打ち歩詰め」の反則となるので打てません。
8六金と引く手は、同玉とかわした手が
香車の道を開ける逆王手となり後手負け。
本譜のように8二に玉を動かすしかありませんが
移動中合いの9四銀が唯一の先手勝ち。
(▲8五玉で寄らず、
後手は▲7一飛成からの詰めろが受からない )
まで、155手で先手勝ち。
投了図がまた、美しい。
三浦八段は、相性もあるのかもですが
過去10年で(15連敗を含み)2勝しかできていませんでした。
しかも羽生三冠自身がA級順位戦で21連勝中と、
正直、途中で心が折れてもおかしくない状況だったはずでず。
それでもただひたすら最善手にこだわって
粘りに粘り切り、最後は勝ち切った。
対戦成績が悪くても、ひたむきに戦えば
こんなに素晴らしい棋譜を残すことができるんだ。
なにかいろいろくじけそうになったら、
この棋譜を思い出そうと思います。