二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




藤井猛九段、「藤井システム」を語る。(第2回更新中)

藤井システム」解説【第1回】【第2回】【第3回】

藤井九段「将棋は運ゲー」(あいさつ)

「藤井九段による藤井システム解説」、
第2回は竜王位獲得までです。

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画像は前回に引き続き、某将棋番組から。

ちなみに同番組内では藤井九段自身が
前掲記事内に示した「藤井システム47手棋譜」の
自戦解説をしているのですが、
できればその解説も、そのうちフラ盤内のコメントとして
反映させられたらと思っています。
でも、宿題が多くっていつになるかわかりません。すみません。

「将棋で勝つのは偶然の連続」竜王位獲得まで

井上さんとの対局で、「これはいけるぞ」と思ってから、
システムは1年くらい指さなかった。
これは大物になる要素があるので、育てなければ、と。
ぱぱぱっと指してダメにしてはいけない。
本当に研究をするために、実戦での採用を封印したんです。

1年以上かな?
(第11期)竜王戦の挑戦者になってからですね。
それまでは、藤井システムをほとんど指していない。

第11期竜王戦決勝トーナメント

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1998年の第11期竜王戦本戦に
藤井六段(当時)は4組優勝者として進出。
決勝トーナメントでは3組2位の鈴木大介五段、
(当時は1組は3位まで、3組は2位までが本戦に出場できた)
1組優勝の南芳一九段、1組3位の屋敷伸之七段を次々に撃破、
羽生善治四冠との挑戦者決定戦(三番勝負)に進出し、
2-1で挑戦者となった。(段位はすべて当時)
その後、谷川浩司竜王との七番勝負を4-0で奪取し
初タイトルが棋界の最高峰・竜王位という華々しさで一気に時の人となる。
ちなみに、4組優勝から竜王位を獲得した例は当時初、
その後、渡辺明竜王が達成するが、それ以降は
4組はおろか、3組優勝以下から挑戦者になった者も出ていない。

挑戦者決定戦の時に羽生さん相手に
システムっぽいのをやったのですが、
羽生さんから変化してきて
システムという感じにならなかったので
竜王戦七番勝負がぶつけ本番だったはず。

番勝負で谷川竜王(当時)が
あまりよい対策をだせなかったのはそのせいなんですよ。

第11期竜王戦七番勝負

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谷川浩司竜王との番勝負は
アメリカ・ニューヨークで開幕。
このシリーズを4-0、しかも第2~4局は
谷川竜王が得意とする終盤に至る前に勝負がついてしまうという
まさに圧巻の内容で竜王位を獲得することとなった。
藤井竜王は、第12期(鈴木大介五段)、第13期(羽生善治五冠)と防衛、
史上初の竜王三連覇を果たすことになる。

僕が使ってなかったから、研究のしようがない。
藤井システム」っていうのが脅威らしいけれど
どういうものだかわからない。

ほとんどシステムを使わずに
挑戦者になれたのが幸運だった。
姿の見えないシステムを谷川さんが警戒しすぎて
それで4-0という結果になったんだと思います。

いろんな偶然が重なっているんです。
将棋に勝つには偶然の連続じゃなきゃいけないですね。
もう、運だけですよ。実力っていうけれど、実力以上に運がなければね。

勝つときは、ですよ。
敗けるときは何をやっても本当にダメ(笑)。


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