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二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第63回NHK杯 村山慈明六段-阿部光瑠四段 逃した熊の行方。

逃した熊のなめかたではない(古典)。

明日は月曜日なので(お断りします)すっごく簡単に書くよ!
とか思ってたけど、結構書いたよ!

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ジメイ、コール対決に太地さん解説。若い。
矢内さんが一番おねいさんという。
NHK杯では勝手にNGだと思っていましたが
電王戦の話もわんさか出たですね。なんとなく新鮮。

対局では後手光瑠四段がまさかのノーマル四間飛車
「序盤は村山に聞け」の村山六段を
ありふれた居飛穴対抗形に組ませて終盤勝負にもちこみます。

その甲斐あって、穴熊を粉砕するまでには至ったのですが
熊を捕まえることはかないませんでした。


※ 局面図がちょこちょこ間違っておりました。訂正します。

先手村山、後手阿部。

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後手阿部四段は角道を止めるノーマル四間飛車
先手村山六段は穴熊に構える。
後手が軽快に攻めて、先手が「効かんわぁ」とする一連の流れに。

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後手は中飛車に振り直し、
飛車交換してから互いの陣地に打ち込む。
先手は金を自陣に打ちつけ、金3枚の守り。
穴熊は機を見て自陣を固くしていけば、
自然に勝ちが見えてくる。
ただ、後手は先手に歩切れに強いる戦いを続けており
これが後々攻防に効いてくる。

一方、先手は対穴熊突貫用の端歩を
突いていないのが目につく。
これでどう穴熊を攻略するつもりか。

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阿部四段の回答は対角の攻め。
角を長距離から何度も斬り込んで
裏に銀を放り込むリベリオン的背面攻撃。
時間を先に使い切りましたが、
先手に駒を渡さないように、的確に急所に打ちつける。

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先手の竜の横利きを止めていた5二の歩を払う
5八からの香成の裏のスペースに打ち込んだ攻防の角打ち。
先手の飛車を縛りながら、7九の銀を支援。
先手は金が1枚あれば三手詰め、一手詰めがみえるのですが、
それ以外では形にならないという苦い展開。
詰めろをかけ続ければ後手勝ちというところまで
持っていきました。

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穴熊を粉砕。
しかし、先手玉は右上方に逃げきれれば勝ちが見える。
捕まえられるか。

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しかし、後手は逃げる玉をとらえることはできず、
先手玉は入玉成功。ここで阿部四段が投了し、
先手・村山六段が勝利しました。


阿部四段が対角の攻めから
勝ちまでもっていったと思ったのですが
寄せを誤って脱出をゆるし、最終的にはその射線が
そのまま逃走ルートになっていた。

実は、解説の中村太地六段が指摘していたのですが、

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本譜では桂を払う△9四歩だったのですが
この局面で△6七金で明確に後手勝ちだったそうです。
後手に詰みはなく、先手玉は逃げ道を封鎖され、
最低でも必至がかかる。
いや、ボナンザに読み込ませただけですがー。

そんなわけで、村山六段が逃げ切って勝ち。
最終盤では的確なルート選択でしっかり逃げ切った
火事場にも冷静な対応がさすがでした。
△6七金の筋があった時には、
それはそれは苦い顔をしていましたけどね。

阿部四段は、敗れこそしましたが、
角連打から穴熊を粉砕するまで持って行った、
振り飛車の爽快さ、軽快さが出た指し回しだったと思います。
その一方で先手に歩を持たせない主張など
見えないところでのじわじわとした責めも面白かった。
時間の使い方とか、若さを感じますけれど、それも持ち味なんでしょう。

総評として、最後まで勝負のわからない
面白い対局だったと思います。

ただ、今回の放送で一番名を上げたのは
中村六段のような気がするですね。
振り飛車党だからってわけでもないのでしょうが
説明が的確で、最後は講座テキストの宣伝までしおった。

何度でも張りますけれど、

持ち駒多いなー。
嫌いじゃないわ!