二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第72期順位戦C級2組1回戦 上村亘四段-村中秀史六段 「藤井矢倉(仮)」の戦闘力。

【第72期順位戦C級2組まとめ】

第72期順位戦は、B1、Aに続き、6/11はC級2組が一斉対局。

ここでは、モバイル中継のあった対局について
簡単に紹介しようと思います。

第1譜は、上村亘四段-村中秀史六段戦。

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上村四段は、これが順位戦デビュー戦。
写真ではこうですが、今は頭を丸めておりますそうです。

村中秀史六段は、人狼の印象が強いので
その時の画像を。ちょっと写真は怖いですがイケボ。

矢倉の力戦系となった本局は、
最終的に双方一分将棋となるなか、
形勢が二転三転する熱戦(泥仕合ともいう)となりました。


先手上村、後手村中。

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先手は早囲い含み。この流れはどっかで・・・。と。
先日の王将戦一次予選で、藤井九段が上村四段相手に
先手で採用したのでした。結果は先手勝ち。

ということで、今度は自分が先手でもってみようという。
一方、村中六段は、6三に銀を上がって、
この後、飛車を5筋に振り、早囲いを牽制する。

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先手は居玉のまま角で飛車先を払ったと思ったら
いきなり角を切る。角を取り返す目途はなく、
次の手で銀もすぐに打ってしまったため、
駒損だけが目立つように思える。暴発では。

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後手は2筋に飛車を振り直し、優位に構えて右辺から攻め手を探りますが
この銀打でまた模様が変わる。
先手が角を捕捉すると、切り返しの▲9六角が見える。
よって、後手は角を引き、攻撃の立て直しを強いられる。
まだ後手が残していそうだけれど、先手も盛り返した。

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とはいえ、ここで後手は歩を使った垂らしから
優勢~勝勢まで持って行けたようですが、
金をどかさずに迫ってしまった。
猛攻するも、時間切迫も手伝って寄せきれない。

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しのぎにしのいで反撃の角打ち。
この時点で双方とも時間はほとんどなし。

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ここで村中六段が投了。
以下、△4一玉▲5一角成からの即詰み。
玉形が安定しない中、二転三転した形勢をなんとかしのぎ切り
上村四段が順位戦初勝利を飾りました。

ちょうど記事を書いている最中に、上村四段のツイートが。

いや、ドリアってなんだよ(そこか)


で、勝負とはまた別の話。
最近、先手矢倉早囲い含みの局を連続してみている気がするのですが、

本局を含めて、4局とも早囲い(含み)側が勝っており、
なにこれ。なんなのこれ。藤井矢倉(仮)キタコレ?という感じです。

流れとしては、

藤井-森内のNHK杯
    ↓
森内、名人戦でアレンジ採用
    ↓
藤井九段が逆輸入して上村戦で採用
    ↓
本局で上村四段が採用  ←イマココ

って感じでしょうか。(たぶん違う)

まあ、純粋な早囲いは1局もないんですが、
今後、力戦系矢倉が増えてくるのだとしたら、
一つの大きな指針になるかもしれません。知らんけど。