二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




森内名人「△3七銀のかわし方を教えるよー。」

今日は第72期順位戦開幕局、
B級1組の1回戦が組まれているのですが
携帯中継されている▲豊島-△藤井戦
カメラの故障だそうで、リアルタイム中継になっていません。
現局面位はアップしようかと思いましたが、
素直に明日を待とうと思います。

さて、昨日(6/5)は
王座戦挑決トーナメント2回戦の2局が組まれたですが
森内俊之名人-木村一基八段戦では、
先の名人戦決着局で指された相矢倉での「△3七銀」が
少し形を変えて現れました。

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名人戦と異なっているのは、後手で△3七銀を放った森内名人が
今回は先手だったということと、59手目で角を5七に引いていたこと。
名人戦は角を6八に引いていました。


そんなわけで、本譜では飛車を6八に動かしたのでした。
名人戦では、飛車は5八に逃げましたが、
攻防に中途半端な結果となってうまく行かなかった。

最初から6筋に飛車をおさめられれば、横利きという守備面に加え
名人戦では実らなかった後に縦に出る目も見えるし、
端攻めに振った時に威力を発揮しそう。
(もっとも、本譜はそうはいかなかったのだけれど)

では、これで先手の攻めがつながって勝ちになったかというと
必ずしもそうではなく、一度は攻守交代を強いられ
手によってはかなりきわどい部分もあったということで、
最終的には先手が勝ちましたが
実際には後手でもいい勝負、といったところのようです。

その後の飛車の活用という意味でも、
▲5七角からの▲6八飛が最有力かというと
そうでもなさそうな感触。

そういうことを考えると、やはり名人戦で示された
△6五歩から△3七銀が極めて有力な組み立てであった、
ということになるし、後手も十分ということになれば
やはり先手からその局面を
避けていくということになっていくかもしれません。

名人の跡に定跡ができるとして。
それはponanzaや在野のアマチュア棋士が示した可能性もあるという時代。
今後は、そこに光を当てて掘り起こすセンサーが
棋士には問われてくるのかもしれません。

矢倉の定跡研究についても
かなり前の局面から見直しが進んでいくことに
なるのでしょうか。