二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




キリンチャレンジカップ 日本代表-ブルガリア代表 雑感。

月末進行な上に、名人戦第5局もあるのでとにかく簡単に!

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結果自体は、前後半にセットプレーで
1点ずつ失点して2-0で敗戦。

前半は3-4-3、後半は4-5-1で臨みましたが
前半のほうにポジティブな印象がありました。


ブルガリアは比較的オーソドックスな4-4-2なのだけれど
中央でトップの一人とセンターハーフがクロスするようなシーンがあって
流動性が意外に高い。ケアが難しいかな、と思っていると、
サイドはガンガン3枚の脇をついてきて
日本の守備が混乱している間に失点してしまいました。

特に日本の右サイド。吉田と内田の距離感が合わず、
内田と吉田の間を対角に切られると、ほぼ確実に突破されるというクラス。
その結果か、当初からの予定かどうかわからないのですが
右サイドに圧力がかかった場合には、
長谷部が一列下がって疑似的に4枚を作って対応しているようでした。

それが機能し出してからは、ディフェンス面には
そんなに危ういところはなく、
サイドでしっかり寄せてボールを絡め取る守備も出始め
むしろ前線の3枚(前田・香川・乾)+駒野が
生きる展開になったと思います。

前3枚は、3トップというよりか、いわゆる2シャドーに見えましたが
ここに今野・遠藤・駒野がしっかりフォローをあてて
流動的な攻撃を仕掛けられたと思います。

とはいえ、得点に結びつかなかったのは残念。
3バックだと、基本的にラインで勝負するという形にはならず
どうしても中盤が後ろに引っ張られる形になるので
前線で1回しっかり仕掛けられないと攻めが続かなくなる印象があるのですが
そういった部分での経験の少なさがリズムを狂わせていたような気もします。

後半は清武とマイクを入れて、主戦の4-5-1になったのですが
縦に速く入れたうえで一方のサイドを張り出して
セカンドボールを3+1で攻めるというやり方は、
やっぱり本田がいないと成立しないと思うので、
失速は予想の範疇でした。

それより、前半の3-4-3について。
ピッチレポートを聞いていると、ザッケローニ監督は
縦に速く入れろ、乾も外で縦に突っ切れ、という風に指示していたそうで。
(だから後半、マイクを入れた4-5-1になったのかとも思うけれど)

ただ、それをあのメンバーでできるのかな。

確かに得点は奪えなかったですが、縦ドンでフォローするという形になると
センターがバックラインをカバーしている現状で、
セカンドボールを下げる余地がなくなる気がします。
だから、香川や乾はシャドー的に構えて前田への入りをさばいていたわけで
それができないとボールがどこにも収まらなくなる可能性がある。

さりとて、疑似的な4枚をせずに3+2でカバーしようとすれば
多分(序盤のように)右サイドが崩れる。

前半にポジティブなイメージがあったといいましたが、
ディレクションと齟齬があるのだとすれば、
それは逆に難しいことになるかもしれません。

もっとも、芸の幅が広がることは
なんとなく閉塞感が漂う日本代表にとっては絶対にいいこと。
小さくまとまるより、コンフェデまでを含めた6月シリーズで
トライ&エラーを繰り返してほしいなあ、と思います。