二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




第23回世界コンピュータ将棋選手権二次予選 ツツカナ-GPS将棋。

世界コンピュータ選手権は2日目。
昨年上位のソフトが一挙登場で、
電王戦からコンピュータ将棋に興味を持った層(私もですが)も
楽しめる対戦が目白押しでした。

今回は、二次予選最終9回戦から第2回電王戦参加ソフト、
▲ツツカナ-△GPS将棋の一局を紹介。

8回戦終了時の成績(上位8チームが決勝リーグ進出)
【8勝0敗】――
【7勝1敗】激指、GPS、ponanza
【6勝2敗】――
【5勝3敗】Bonanza、NineDayFever、YSS、習甦、ツツカナ
【4勝4敗】Apery、竜の卵、N4、Blunder、AWAKE、大槻将棋、柿木将棋
【3勝5敗】Sunfish、Selene、奈良将棋、棋理、無明4、ひねもすのたり
【2勝6敗】クマ将棋
【1勝7敗】ひまわり、なのは
【0勝8敗】――

コンピュータ将棋選手権ネット中継

ラス前時点で激指、GPS将棋、ponanzaは勝ち抜け決定。
5勝勢は勝ったら勝ち抜け、負けたら状況次第。

そんななか、最終戦でシード順位1位のGPS将棋と
2位のツツカナが激突。(Puella αは今回大会辞退)

ツツカナは負けると状況によっては
敗退の可能性もあった中での決戦。

棋譜再現はこちら。

電王戦でプロ棋士を撃破した2ソフトの対戦は
角換わり相腰掛銀に。

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やっぱり棒銀ははなから度外視で端を突かないんですね。
阿部光瑠四段はよく研究していたんだなあ。

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ツツカナが後手の4筋が整う前に仕掛け、主導権を握る。
そこから手持ちの角を手始めに
大駒をバシバシさばきあう展開となるのですが
ツツカナが先行した優位を生かしつつ終盤へ。

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後手玉の入玉を防ぐ下段からの香が印象的。
最後にはこの香が成って必死にしのぐGPSの後手玉を討ち取りました。

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投了図。まで、125手で先手勝ち。
ツツカナは勝って自力で決勝リーグ進出を決定。
GPS将棋は、昨年に続きツツカナに苦杯をなめました。

先行したツツカナが見事というか、
同形から
「4筋がノーマークだったらそりゃ突きますよね。」
って攻めがつながるんだなあ。

電王戦でも見せた「ツツカナの感覚」が
光った一局のように思いました。

2次予選終了時の成績
【9勝0敗】――
【8勝1敗】激指、ponanza
【7勝2敗】GPS
【6勝3敗】Bonanza、ツツカナ
【5勝4敗】NineDayFever、習甦、YSS(以上8チームが決勝リーグ進出)、Apery、Blunder、大槻将棋
【4勝5敗】竜の卵、N4、Selene、AWAKE、Sunfish(以上16チームは来年二次予選シード)、柿木将棋、棋理、ひねもすのたり、奈良将棋
【3勝6敗】無明4
【2勝7敗】クマ将棋
【1勝8敗】ひまわり、なのは
【0勝9敗】――

そして星取表

最終局もう一つの注目カード、▲習甦-△ponanzaはponanzaの勝ち。
習甦はシード順位もあって突破したので
結果、第2回電王戦参加の4ソフトはすべて勝ち抜けました。

新鋭NineDayFever(マラリア?)に激指、bonanza、YSSと
エポックメーキングな超有名ソフトも勝ち上がって、決戦は明日。

激指、ponanza、GPSと、東大系ソフトが抜けている印象ですが
潰しあいも多く、正直どうなるかわかりません。

最終日は、ほぼ全日UST中継があります。括目して待て。
(正直今日もつながりづらかったので、どうですかねー。)