二森日和。

将棋をみた感想。たまにサッカー。ごくまれに雑談。




ロンドン五輪(U23+OA) vs.エジプト 雑感。


なんというか、「つええ!」、と。

これほんとに国際大会の決勝ラウンドの試合なの?と
思ってしまうほどに、会心の勝利でした。
試合後、マヤさんから「シンジより先にここでゴール決められてよかった」
って言葉が出る時点で、「やったった」という高揚感が伝わってくるようです。
なんかもう素晴らしい。

試合自体は清武-永井のホットラインで先制し、
「勝ちパターン」に持って行けたのですが、
その結果、永井負傷退場により、その後の攻撃がどうなるのか
そういうところに注目しながら見るだけの余裕ができるほど
冷静に見れたってことでもありますね(謎)。


/日本×エジプト/(3-0 オールドトラフォード

日本は序盤から「ボールを持たせて封殺する」ディフェンスがさえまくる。
チャレンジ、カバーとジャッカル、
その上での切り替えと、連動した守備からのアタックで
エジプトに形を作らせません。

その流れの中での、永井のゴール。
「ボールを取ったらまず永井の裏」
これまでもそんな形が数多くみられましたが
まさにそれ、でした。

だからこそ、この直後、永井が負傷退場したあとの戦い方が
興味深くあったのです。
「奪った後」をどうするのか、という点について。
また、前線からの追い込み方について。

結論から言えば、ほとんど気になりませんでした。
永井交代直後こそ、ばたばたした感がありましたが
奪う形がいいからか、カバーの選手が近くにおり
攻撃面でもいい流動性が生まれていました。

また、エジプトは、選手が一人退場し、
その後もどんどん怪我人が出るなど、
日本の運動量について行けずに自壊。
(ラマダンの影響もあるんでしょうけどもだ)

セットから吉田、サイドから大津と2点を加えたうえ、
山口の神カバーリング、清武のドヤ顔、
権田の謎飛び出しも見られるなど、
これ以上ない、見事な勝利でした。

それにしても。

数年前まで、日本サッカーが守備で世界と渡り合えるなど
ほとんど信じられなかったと思います。
「日本の特徴は、スピードとテクニック」。
以前から言われていたそれは、
言い換えれば、フィジカルに負うところの
守備に自信がないからこそのコメントでもあったのではないか。

いまのU23は、明らかに守備のチームです。
一時蔑称のように言われた「カウンターのチーム」でもある。
けれども、そこには悲壮感はなくて、
それが「強み」だと言い切れる、
サッカーへの確信が備わっているように思います。

選手のリソースを、オフザボールメインに、
かつディフェンスに費やすという日本サッカーの選択肢は
オシム→岡田時代の貴重な財産。

そしてそれは、日本人らしい連動する4バックを
この国全体で模索し続けた、ここ10年の積み重ねがあったからこそ。

4試合連続無失点。
それはU23だけでなく、近年の日本のサッカー全体で
勝ち取った勲章なんじゃないかなと、
思ったりするのです。